このレビューはネタバレを含みます
体制による芸術への抑圧と、芸術の強さ。どのように展開するのか読めない面白さで惹かれるが、大尉がある意味デウスエクス・マキナ的な存在にも見えてサスペンス・スリラーとしては弱めか。登場人物のドラマとしては、それぞれの心情変化や壁が崩れた時にジョークでやらかしたアイツが出てきたり大臣とドライマンの接触、そしてあのオチと素晴らしい。「私のための本だ」のセンスよ!
序盤じっくりと大尉の堅物・強硬さを描き、そんな人物でさえ小さなきっかけで影響されてしまう。希望であり、恐ろしさでもある。また、途中で大尉が風俗嬢に入れ込む孤独な一人の人間であるということも示される。
大尉がどハマりしてるの分かりやすくて面白い。「今回だけは見逃してやる」「今に見ていろ…」→報告するような出来事はなし、はもうダメなんすよ。
吹き替えで観たんだけど、字体の鑑定士なんか好き。中佐みたいな理由でA判定やらん大学教授いそう。
映像:====C
脚本:======A
編集:======A
俳優:======A
人物:======A
音楽:======A
音響:======A
【MVP】ゲルト・ヴィースラー