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善き人のためのソナタのmaiのネタバレレビュー・内容・結末

善き人のためのソナタ(2006年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

「この曲を本気で聴いてしまったものは、悪人にはなれない」
善きひと、ヴィースラーはきっと私たちでもある。

コヴェナントを観たときも
『マクロではなくミクロでもモノを見ること』と感想に書いた記憶があるし

コロナ禍の時も感じたことだけれど
マスとして人間を統計等でみるのと
個人としてそのひとの経過をみるのとでは
全く感じ方が変わるように
人間に備わっている『共感力』こそが人間を人間たらしめるのだと強く感じた。

盗聴するひと、は
映画を観ている私、でもあり
情報として知るのではなく
その個人を知ろうとすれば
感情移入し一緒になってその場に居るような気持ちで、ハラハラしたり悲しんだり苦しくなったり喜んだりする。


「歌をうけいれるのは
歌を生み出した魂と
歌手の魂が同化したときだけ
そうやって過去と現在を融合させる
時空を超えて行き来する」
映画TARより


個人を本気で知る=共感力を発動させ、魂を受け入れること、

それが映画であり、アートの持つ力なのかもしれない。
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