通りすがりのアランスミシー

善き人のためのソナタの通りすがりのアランスミシーのレビュー・感想・評価

善き人のためのソナタ(2006年製作の映画)
4.6
ヨーロッパの国で映画産業の規模はそのまま国の規模に比例する。
つまり、ドイツ、フランス、イギリスが特に映画産業の規模が大きい。
そしてそれぞれの国には国ごとにカラーがある。
イギリス映画はアメリカ映画との境目が非常に曖昧であるため、定義できないが、フランス、イタリアは曖昧模糊としたある意味感性優先というものが多い感じ。
ドイツはとにかく論理的。
起承転結がはっきりしていて曖昧模糊とした描写がない。
なので結局最後まで見て最も腑に落ちやすいのがドイツ映画だと思う。
「善き人のためのソナタ」はとことんに腑に落ちる映画だ。
それでいて理屈ばっかりで感情が無いわけではなく、最後まで見るとちゃんと感動できる。
本作はそういうドイツ映画のいいところを徹底的にいいとこどりしたドイツ映画らしいドイツ映画の傑作。