てつこてつ

西陣心中のてつこてつのレビュー・感想・評価

西陣心中(1977年製作の映画)
2.3
U-NEXT。「曾根崎心中」を連想させるような情緒あるタイトルに惹かれてしまい、うっかり鑑賞。

ATG第3作に当たる作品らしいが、ATG好きの自分にも全く刺さらない、実に薄っぺらい内容で・・。むしろ日活ロマンに近い作風だな。

冒頭で不倫相手の男性から無理心中を迫られ生き延びたヒロインが、その後にとる数々の行動に全くもって共感もできなければ理解もできない。

ただ、次から次へと周りの男を誘惑し、肉体関持つ持つ彼女が一体何を考えているのか全く理解できず、男目線から見てもイライラさせられる。

終盤の展開なんてジェットコースター過ぎるし、エンディングもいくら何でも狙い過ぎ。いわゆる、’演出が過ぎる’というところか。

タイトルにもある西陣織りの反物が登場するシーンは、せめて、その美しさや艶やかさ、芸術性をしっかりと演出してほしいものだが、とってもチープに見えてしまい残念。

ヒロインを演じた島田佳枝は、清楚さと妖艶さが交互に垣間見えるような美しい女優さんだし、脇を固める役者陣は懐かしく、演技力も確かな有名どころ(成田三樹夫なんて登場するだけでその場の雰囲気が締まる)をしっかり揃えているだけにストーリー構成のまずさが悪目立ちしてしまう。

表情の変化をハッキリと捉える演劇チックなライティング手法や随所に見える独特なカット割りも、結果的には監督の一人相撲で終わってしまった感。
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