半兵衛

フランケンシュタインの花嫁の半兵衛のレビュー・感想・評価

3.8
前作よりも人間にモンスターと虐げられ、安住の地を求めて彷徨うフランケンシュタインの怪物の悲哀にウェイトが置かれており、ボリス・カーロフの熱演も相まって見ていてやりきれなくなる。中盤盲目の老人との交流で人間らしい生活を送れるかと思いきや闖入者の出現により崩壊してしまい、怒りのあまり次々と物を破壊していくシーンの虚しさよ。

肝心の怪物の花嫁として作られる新しいモンスターは一瞬しか登場しないものの、メイクと役者の演技により人の姿をした怪物としてのインパクトを放つ。そんな自分と同じ怪物の登場を心待ちにして博士に協力していたのに、やはり彼女の動作から人間では無いことを悟る怪物の心情が表情から浮かび上がり切なくなる。

フランケンシュタインとは別に新しい生命を作ろうとする天本英世を彷彿とさせるマッドサイエンティストぷりもいい味を出している、特に彼が作った小人は特撮の精巧さもあって不気味な雰囲気を醸し出す。

怪物が葛藤の果てに人間らしい選択をするラストにグッとくる、でもこのオチだと冒頭の原作者と関係者によるメタなやりとりはいらないな。
半兵衛

半兵衛