チッコーネ

華麗なる追跡のチッコーネのレビュー・感想・評価

華麗なる追跡(1975年製作の映画)
3.5
薬漬けの女を性奴隷にする悪の本丸は「白い女体が映える黒熊の着ぐるみで、犯す」という変態プレイ常習者。
兄の前で妹を凌辱する場面、さらに子分の手足が爆弾で吹っ飛ぶ場面も。
中庸な活劇のつもりで観ると、監督の倒錯したサーヴィス精神に唖然とするはず。

よく足の上がる志穂美悦子のアクション・スターぶりはなかなかのものだが、特にすごいのは終盤のモノレール場面。
かなりの高度を走行中の車体にぶらさがるのは一体、本人なのかスタントなのか判然としないが、どっちにしても物凄い仕事ぶり。
車体内部から撮られた場面では、志穂美の顔と遥か下方の景色だけが映り込む。
果たしてどうやって撮ったのか…、度肝を抜かれた。

マッハ文朱の、わずか3年程度という現役時代に撮られた作品でもある。
『花を咲かそう』の歌唱場面があるほか、ロープなしのマット上で繰り広げるレスリングシーン、志穂美を交えた格闘場面と、出番は豊富。
ネック・ハンギング・ツリーを披露するなど、トレーニングと実戦経験を積んだ者ならではの動きが、頼もしかった。
当時の彼女が、いかに注目度の高いスターだったのかを確認可能な、貴重な記録である。