映画おじいさん

華麗なる追跡の映画おじいさんのレビュー・感想・評価

華麗なる追跡(1975年製作の映画)
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「あるときは〜」と決めセリフまで引用した志穂美悦子版『多羅尾伴内』。カーレーサー、諜報員、ギャンブラー、謎の紳士、お茶くみババア、修道女、カンボジアの傴僂、ちゃんと七つの顔があった(もっとあったかも)。

天津敏の着ぐるみは『ホテル・ニューハンプシャー』の元ネタ? ジョン・アーヴィングが本作を観ていたら凄いな。あるわけないけど。

砕石場での爆破の中を走る志穂美悦子は超凄いけど無駄に命をかけているような。映画のキャンペーン(他作品)で彼女が新宿コマ劇場のてっぺんから飛び降りたエピソード大好き。

裸の女の死体の中にヘロイン隠して密輸などなどエログロ満載でストーリーも幼稚。
なので40歳超えた大人が観るのはちょっとキツい。懐かしさも特にないのでなおさら。自分の余命を考えるとこんなくだらない映画を観ている時間はない。

あと、本作だけではなく、70年代半ばの邦画アクションやコメディポルノを観ると当時の日本人は知能が低かったのかなと思ってしまう。でもそれは間違いで、当時の日本人は勢いがあり過ぎて今の感覚からすると下品なだけで、その下品さが低能に見えてしまうのだと思いたい。

(追記)

『星くず兄弟の伝説』(1985年)の冒頭の楽屋に、この映画のポスターが貼ってあった。手塚眞監督はこの映画がよほど好きなのか。

花屋の女の子の腕にダッコちゃん。