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華麗なる追跡のドントのレビュー・感想・評価

華麗なる追跡(1975年製作の映画)
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 1974年。表の顔はスーパーカーレーサー、裏の顔は父の死の真相を追い求める秘密捜査官。彼女が華麗なる変身と拳法で麻薬組織を壊滅に導くアクション。ねじれたエロもあるよ!
 志穂美悦子が変装七変化をこなすアイドル的映画である。ちゃんと「例の名乗り」もやるのでまんま多羅尾伴内だ。ドレスも男スーツもメガネの事務員姿も着こなす志穂美悦子の美の幅の広さは見応えあっぷり。志村けんみたいなババアの変装はそんな馬鹿なと言いたくなるが鈴木則文監督作なので仕方ない。ゲスト出演のマッハ文朱もかなり強くて扱いもよい。でもその父親役が由利徹ってのは鈴木則文監督作とは言えこう、ひどくねぇか?
 一方で友人がやけに無残に死んだり(とは言えこれは女必殺拳シリーズも同じだが……)、敵のボスがクマのぬいぐるみを着てネットリと女を抱いたりとソフトとハードの差が激しく、水と油を無理くり飲まされているような気分に陥る。特に廃人寸前になった女性が全裸で甲冑の中に押し込められているシーンなど今から観ても相当にフェティッシュだ。しかも特に意味がないのがすごい。
 志穂美のアクションは書くまでもなくピカイチであるし東映特撮を思わせる砂利山爆発の中を駆け抜けるグレイトな場面もある。ただラスボスの天津とのロープウェイ内での戦いがいかんせん絵的に地味で最後の最後に締まらなかった。その直前に石橋雅史がほぼ無意味に大爆死しているのでなおさら。あと画面がマジ暗くて殺陣が堪能しきれず。勿体ない映画だと思った。
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