すずす

彼女が消えた浜辺のすずすのネタバレレビュー・内容・結末

彼女が消えた浜辺(2009年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

他人の面子を大事にし過ぎる、のにも程があるということか?
嘘が嘘を呼び、のっぴきならない展開に陥る、仲良し旅行の行きつく先。

以下は物語。

大学の同級生だった男女数名が、休暇で保養施設を訪れる。
旅行参加者は、セピデー、夫アミールと幼い娘。ショーレ、夫ペイマンと息子アラッシュ。ナージと夫マヌチュールの3家族に、発案者のセピデーは、離婚したてでドイツで働いているアーマドと、娘の幼稚園の教諭エリ。
セピデーが予約した屋敷は、所有者が予定より早く明日に戻ってくるので、貸せなくなったと云われる。セピデーは管理人に、アーマドとエリはハネムーンの新婚なので、代替えを要求。人けの少ないビーチにある、壊れかけの別荘に泊まるよう提案される。
エリは億手だったが、皆が二人を近づけようとする空気に押されていた。別荘は携帯が通じず、エリは買い出しの途中で、病み上がりの母に電話し、明日には家に戻ると云う。エリを帰らせたくないセビデーは、エリのバッグや携帯を隠す。
男たちがバレーボールに興じ、女性たちが買い出しに行くと、エリが海辺で遊ぶ子供の見張り役となる。すると、男の子アラッシュが溺れたと、子供たちが騒ぎ出す。アラシュは救われるがエリが見当たらない。溺れたのか、帰宅したのかも判らない。
警察を呼んでいる間、一行はエリを探し続けた。しかし、見つからず、警察は早々と捜索を打ち切る。エリの失踪とこの旅への参加について、参加者同士での責め合いがはじまる。
セビデーが隠したバッグには携帯も残されていた。母に電話をして帰宅していないことが判るが、次に、アーマドは昨日、電話を掛けてきた男に電話すると、男は兄と名乗ったが、それは嘘だった。男はエリの婚約者だった。そして、セピデーは、エリに婚約者がいるのを隠していたのだ。
アリレザは別荘に着くと、アーマドを殴り、セピデーにエリが何故、旅行していたのか食って掛かる。セビデーは婚約者アーマドに、エリは喜んで旅に参加していたと噓を言う。
それぞれの心に蟠りが残る中、アリレザは遺体安置所で亡くなったエリを確認するために遺体と対面し、崩れ落ちて涙を流す―――――

前半はスロー過ぎる。伏線をゆっくり置き、それを事件の謎ときに連れて、回収にかかる。一つのボタンの掛け違いに始まったスレ違いが、徐々に大きな裂け目となる作劇は完璧ですが、テーマ性がやや弱く、エンディングも少々勿体ない気がしました。何かもう少し、ある様な…!?
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