ろく

自虐の詩のろくのレビュー・感想・評価

自虐の詩(2007年製作の映画)
2.6
原作はすきなんだよねえ。単行本もちゃんと持っているし。今回この映画見て再読。そして「何かが違う」って思っちゃったよ。

で違う理由。中谷美紀じゃ美人すぎんじゃーん。阿部寛じゃカッコよすぎんじゃーん。この二人が「いい男」と「いい女」じゃダメなんだよ。ダメな男とダメな女だから泣けるわけ。だからヨシイエの原作だと「ああ、だめだなぁ」と感じて落涙するの。でもこの映画はそのダメだなぁがなくて「いい女」と「いい男」がダメな奴らのふりしてやっているコントにしかならないんじゃないかなぁ。そこは噴飯ものなんだよ。

ケイゾク中谷とトリック阿部という堤組全開の映画なんだけど僕はそんな感じで乗り切れなかったよ。また堤の演出ーとくに手をつないで世界ぐるぐるーに苦笑。なんだこの学芸会はと醒めてしまった。

堤作品はどうも「ここで感動して」っていうとこでも監督が本気でないのが納得いかないの。なんだかんだで監督、引いて観ているんだよね。だから僕たちも引いてしまう。ほら、クラスにいるでしょ。「なんだよ、クラスマッチって」「いやどうせ修学旅行なんか行きたくなかったし」そんなことを言ってしまう人。堤の映画はどうもそんな感じがして「そんなに嫌いなら映画なんか撮るなー!」って怒りたくなってしまう。

つまらないのも演出ですよって言われるとそれじゃ突っ込みようがないじゃないですかって話です。ええ。
ろく

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