人間

ルナシーの人間のレビュー・感想・評価

ルナシー(2005年製作の映画)
4.0
母親の死以来激しい幻覚に苛まれる青年ジャンが、母の葬儀の帰りに謎の侯爵と出会いなんやかんやあって”療法”のために精神病院に入院する話。
シュヴァンクマイエル作品は「アリス」「オテサーネク」「ファウスト」以来、観るのは4作目です。ルナシーには「精神異常」などの意味があるそうで、意味通り精神疾患者たちが登場する精神病院が舞台の作品。これまで鑑賞した彼の作品の中で最もグロテスクでダークだったように思います。冒頭で監督本人が「これはホラーです」「アートじゃないです」と解説してくださったのですが、ちゃんとアート的要素はあったように感じました。
画面内で起こっていることは全て現代社会の反映であると言えるんじゃないかな。登場人物全員が何かしら精神に問題を抱えているけれど、それが普通で自由なのかもしれないし、現代人もそう。そしてストップモーションの肉も人間だということでしょうかね。
ずっと狂気に満ちている上に台詞が多くて体力使いましたが、かなり好きな作品でした。
そして相変わらず嫌悪感の凄まじい食事シーンが多数。これ観ながら肉料理食べちゃった。
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