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ルナシーのumihayatoのレビュー・感想・評価

ルナシー(2005年製作の映画)
5.0
シュヴァンクマイエル初体験でした。冒頭の監督の語りが伝えたかったことのすべてじゃないでしょうか。極端な例だとは思うけど、倫理観宗教観の違いから起こる善悪の捻れ、人間本能の自由と抑制の描写はよくある話です。
しかし、最後に自由から抑制へと体勢が全く入れ替わり、そこで怖いのが見てる側の感覚の変化。そして、精神病院での話であるこの話を自分の現実に置き換えて 'しまう' 仕掛け。これが一番この映画のホラーな所だと思いました。「全員狂ってやがる。いや、待て、狂ってるってなんだ?自分が相対的に健常だから狂ってないと?あの人の言ってたこと正しいと思っちゃったよ!」とかさ。いやー怖いね。人間がただカクカク動き回る肉の塊ならよかったのにな(笑)
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