タイトルと冒頭の医者のセリフだけでどんな話かほぼわかってしまう。全体としては難病もののフォーマットそのものだが、強引にロマンスを成立させる前半部の力業には独特の扇情力がある。一部の映画ファンの間で語り草になっているというのも分かるような中毒性を感じる。
パメラ・ヴァロレージもリチャード・ジョンソンもあまりに衝動的で現実離れしているが、寓話と思えば支障ない。'70年代の大映ドラマなんかと通じるものがある気がするが、制作に日本の資本も入っているんだね。
観ていて恥ずかしくなってくるような顔面アップカットが連続するかと思えば、バスの車窓からの風景ショットが延々と続いたり、大遠景のパノラマ撮影が挟まれたりと、カメラワークも独特。
ラストはあまりに直接的な描写でびっくりする。冒頭で余命2ヶ月と言っていたが、これは一体どれくらいの期間を描いた話なのだろう。