松岡茉優

コフィン・ジョーの 獣が目を覚ましちまうぜ!!!の松岡茉優のレビュー・感想・評価

3.5
某動画サイトで鑑賞

ブラジルでオリンピックが開催されている上に夏休みで暇を持て余していたので、カルト映画を多くこの世に残したブラジル人コフィン・ジョーの映画を観ることにした。英語字幕で観たのもあって話がイマイチ理解できなかったが、最強の英和辞書を使いながら自分なりに理解できた本作のストーリーを少し書いていきたい。いかに変な映画かがすぐ分かる。

大きく分けてこの映画は3パートに分かれる。前半は薬物学者?たちとコフィンジョー本人が薄暗い部屋で会議しているシーンと薬を用いた例が延々と流れる。例えば、結婚初夜に「私は他の男とも肉体関係持ってるの!」と新婦(ヤク服用)から打ち明けられる男性や、女性の股に顔を突っ込んだ挙句、口で下着を脱がしてから男達が女性の周りをくるくる回るなど独特すぎる世界観が展開される。中盤は会議が一旦中断し、コフィンジョー本人が自身の昔の?裁判をテレビで観る。実在する映画監督の名前が出てきたり、コフィンジョーがブラジル映画界について物申したり自身の考える映画の在り方を質問に答えながらもダラダラと話す。正直「誰が得するんだよこれ」みたいなシーンであるが意外と楽しめる。裁判の番組が終わった後、コフィンジョーは異なる身分のLSD中毒者を4人集め人体実験を行う。『オズの魔法使い』を明らさまにパロったLSDの幻覚シーンはあまりに不気味で悪趣味。ラストは正直よく分かんなかったので誰か解説して欲しい笑。

この映画を観てまず思ったのはコフィンジョーは自分のことが本当に大好きなんだなということ。自分のやりたいことを好きなようにやるというある意味理想的な環境で映画が撮れたのかなと思うとかなり羨ましい。今まで観てきた映画とは存在も内容もかなりかけ離れていたので、ある意味お勉強にはなった。それに辞書を引きながら、英語字幕で映画を観ることが結構楽しかったのでこれからも暇なときにやっていきたい。久々にレビューが長文になるほど観た後に語りたく映画ではあることは間違いない。ただ、観なくても全然人生に支障がないことも間違いない。
松岡茉優

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