料理家の祖たる、ジュリア・チャイルド。
彼女のドキュメンタリー「ジュリア アメリカの食卓を変えた伝説の料理研究家」を先に観ていますが、本作まずまず楽しめました。
メリル・ストリープは身長168cmと、190cm近いジュリア・チャイルドより随分背が低いのですが、演技や撮影の工夫の成果か、特に気になりませんでした。彼女の特徴ある声や話し方がよく再現されていたと思います。
もう一人の主人公、ジュリー・パウエルはジュリア・チャイルドの著書「Mastering the Art of French Cooking」掲載レシピを1年がかりで調理しブログに書き連ねることで人気を博した方。企画としては面白いですが、便乗商法と言えなくもなく、ジュリア・チャイルドによるジュリー・パウエルへの評価は手厳しかったとか。そりゃ、本場パリのル・コルドン・ブルーで学び、数々の料理人から教えを受けたジュリアによる525のレシピ、700ページ超の料理大全と、料理人でもないジュリーによる再現ブログとでは重みが比べ物になりません。ジュリアからすれば、継承ではなく剽窃だと感じても無理はありません。
ジュリー・パウエルの著書ベースででジュリア・チャイルドを描くより、ジュリア・チャイルドの伝記としてシンプルに描けばよかったのに、と思います。
（2023年2月 NETFLIXで鑑賞）
