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ラブゴーゴーの一人旅のレビュー・感想・評価

ラブゴーゴー(1997年製作の映画)
5.0
チェン・ユーシュン監督作。

台湾ニューシネマを代表する映画作家の一人、チェン・ユーシュン監督の長編第二作で、アパートで共同生活をしている個性溢れる若者たちの悲喜こもごもを独特の感性で描いた異色の青春映画となっています。

おばが経営するケーキ屋で働いているアラサー男子:アシェン、アシェンのアパートに同居するタイピストのおデブ女子:リリー、痴漢撃退グッズのセールスマンをしている内気なイケメン青年:アソンの3人の視点による緩やかなオムニバス仕立ての青春映画で、
・アシェンと彼が勤めるケーキ屋に現れた幼馴染の初恋相手:リーホアとの再会と不器用な恋慕の再燃
・リリーと彼女が拾ったポケベルを介した自殺願望のある男とのやりとりと初デートのゆくえ
・アソンと彼がふらっと立ち寄った美容室で働いているリーホアとの美男美女同士の出逢いと痴話事件と心の触れ合い
…と3者3様のエピソードが順番に語られていきます。

チェン・ユーシュン監督の感性が迸った作品で、原色を多用したビビッドな色彩感覚や音楽の多彩な選曲、テリー・ギリアムのような摩訶不思議な映像演出…と独特のセンスのごった煮と化したポップな作風が異彩を放っていますし、カンニング竹山にそっくりなアシェン役:チェン・ジンシンの非モテ男ぶりや、ハンバーガーのドカ食いが凄まじいリリー役:リャオ・ホェイチェンの非モテ女子ぶりと若手個性派のユニークな立ち回りも素晴らしい作品であります。
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