フッカー

青い春のフッカーのレビュー・感想・評価

青い春(2001年製作の映画)
4.3
花は咲くもんです、枯れるもんじゃない

ヤンキー高校生の映画ってことでクローズ的なヤンキー友情喧嘩万歳!笑笑
みたいなのをイメージしてたら全然違った。
この中で、閉じた箱の中で生きる若者の気持ちが痛く刺さるように描かれている。

自分に持てないもの
自分に出来ないこと
それが出来る奴が羨ましい
羨ましいというだけでなく、妬ましい。
この羨望というより嫉妬のような物が強く出ている。

自分の意思で物事を決めること。
自分がなりたいものがハッキリ見えている人がいる。九絛らはまだその途中。

俺だったら「凄いなあ」と感心するけど、九絛は怖いなと感じる。
九絛はまだそれが分からないしその意味も見出だせない。
雪男はなりたいものをまだ探して立ち止まってる。
でも待ってくれない周りに苛立つ。
決められない自分に苛立つ。
そして自分で物事を決められない、自分の意思がない人は、見ていて余計かんに触る。
青木はそんな自己がハッキリしてる・自分がしっかりある九絛に思うところがあり、どうしても意識してしまう。


彼らの姿は普通の高校生と比べてすごい暴力的で、トイレでタバコの火を借りるシーンなんてあの後の行動に余りにも驚いて受け入れられない行動も多々ある
.....んだけどこういう鬱屈とした気持ちって分からなくもない。

男子のグループってそういう自分の意思がハッキリ持てない人を軽く見る傾向があると思う。
まあ中学いっても高校くらいまでは。
そのうち尺度はそれだけじゃないって大体の人は思うのだけれど。
「自分で何も出来ないのかよ」とか何様発言だよって思うけど、当時を考えたらそう思ったことあります笑
あんな血生臭い高校生じゃなかったけど笑

男の方がガキだって言うしな笑
子供なんです!!俺を許して!!笑

そういった意味で、極端なんだけど分かるとこ分かるなあってそんな映画。
だから個人的には心情が凄く描かれてるなあと。


ただやっぱり引っ掛かるところがある。
それは多かれ少なかれ誰しもが、そういう自分自身について悩むことがあって、生きてく方向を探る時期があって、
そこで溜まったフラストレーションを皆がそれぞれの方法でぶつけてる。

悩みながらも「部活ー!!!」とか「ライブー!!!」とか「好き好きー!!!」とか「勉強ー!!!」とか「趣味ー!!!」とかまあ色々笑
その思いの大小は人の環境によって違うけど、大体そんな思いを抱えだして生きてる時期だと思う。

まあ悩むのは自分自身のことだけじゃくて相手のこととか、人とのこととか
いわゆる多感な時期っていうのがこれなのか笑

彼らはそのフラストレーションが周りへの暴力に収束しがちだったところがとうしても引っ掛かっちゃう。
ぶっちゃけ「金魚のふん」とか「虎の威をかる狐」みたいなのっていくらでもいるから、それで衝動的にあんな(トイレにて)ことしてたら切りがないよ笑
怖いよ笑

随分と色々思うところがあって長くなったが、多くのことが感じれたっていうのは個人的には良い映画だったなあとしみじみ思う。


青木に言いたいこと。
ちょっとくさいけど、
世界はココだけじゃないんだよ
ってこと。
でもまあ難しいよね笑
いきなり言われても「はぁ?(;・ω・)」ってなるよね笑
彼の中でそれくらいココが大きいのだから。俺も多分そん時じゃあ響かないわ笑

そういう自分自身を探るって意味ではやっぱり青い春であって、あんな激しい生き方してないけどそれでも暗中模索してた俺自身を思い出す部分もあるなと。

随分とっ散らかりました笑
これはどうも思い入れある作品になりそう。輝いてるシーンだけが青春じゃない。