わがはい

青い春のわがはいのレビュー・感想・評価

青い春(2001年製作の映画)
3.6
公開は2002年6月で『ピンポン』より1ヶ月ほど早かった。
この頃は松本大洋ブームがあり、従兄弟の井上三太と共に当時ヒップな存在となっていた。

さて肝心の内容はというと、暴力的で刹那的で青臭くて無鉄砲で、痛々しいほどヒリヒリした、男子のための青春ストーリー。

松本大洋の世界観を実写で再現可能なレベルでは高次元である。
・・・が、言い方を変えればやはり原作漫画を超えることはできないとも言えるし、実際本作よりも漫画をおすすめする。

ただ、映像で観る価値があるのが(できれば映画館の爆音で)、TMGEの音だ。
本作を象徴する「幸せなら手をたたこう」ゲームで幕が上がるが、屈指の名曲「赤毛のケリー」のアベフトシによるギターリフがかき鳴らされた瞬間にすべてを持っていかれる。もうかっこよすぎて涙が出そうになる。
そこにチバユウスケのあの声が乗り、思春期特有の焦燥感を映像化することに成功したオープニングを観るだけでも、映画館で金を払う価値がある。

冒頭の屋上シーンからタイトルに至るまでのかっこよさ(赤毛のケリー)、終盤の青木が落下していく姿の儚さ(ドロップ)は、TMGEと映像の親和性もあり、筆舌に尽くしがたい。
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