広島カップ

狼たちの午後の広島カップのレビュー・感想・評価

狼たちの午後(1975年製作の映画)
4.6
私が高校生の頃、ロードショー公開された本作を観に行った時には、憂いを含んだ表情で銀行強盗を演った「上手く行かねぇなぁ」というアル・パチーノにグッと来ていました。その年のオスカーを『カッコーの巣の上で』のジャック・ニコルソンと争って負けたこともよく覚えています。

二回目に観た時には銀行強盗の主人公がベトナム帰りのゲイであるという所に目が行き、当時の米国社会に内包する問題点に鋭く切り込んだ内容だったことに「流石シドニー・ルメットだな」と気づきました。

そして今回改めて観てみると、一番心に触れたのが主人公のやる事なす事が全て綺麗に上手く行かないという単純な事。
本人は至極真面目に仕事(強盗)をしているのに思い通りに行かない。
コっ、コレは今の俺と全く同じではないか!(泥棒はしてないですヨ)
俺もこの歳(内緒!)になってついにアル・パチーノみたいになったか!
高校生の頃にはそんな将来が待ってるなんてツユほども思っていなかったのでした。
広島カップ

広島カップ