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狼たちの午後のnagarebosiのレビュー・感想・評価

狼たちの午後(1975年製作の映画)
4.5
かなり久しぶりに観ましたが、やはりこの作品はパワーがありますね。

パチーノさんの演技はいつ観ても深い。コルレオーネ役の冷静なキャラクターとは正反対のギラギラ感、憔悴しきった時の虚脱感は観れば観るほど脱帽!相棒のカザールさん、見た目とは裏腹の純粋無垢さが異様さを更に増してます。
ストックホルム症候群に陥る銀行員、見世物にするマスコミ、勝手に英雄に祭り上げる一般人…、そのどれもが自分にも当てはまり共感してしまう危うさを抉りだしてくれました。
あの当時の空気感、熱量の高さはフィルムでこそ体感出来る、それほど撮影がリアルに描ききってました。社会派の人間ドラマを描くのが上手い監督ならではのズシリと重い、観終わった後に「切ないなあ…」と一言漏れてしまう作品。
余韻に浸るギリギリのところでバッサリと切る編集も巧い!

「ジョビジョバ大ピンチ」の元になった作品でもありますね。