アルパチーノの若い時の作品。
タイトルを聞いた事あるくらいで、アルパチーノ主演というのと、「未知への飛行」の監督作というくらい知識で鑑賞。
超面白かった!
タイトルを見てハードな銃撃戦とかある作品かなぁとおもってたが良い意味で裏切られた。
社会派の要素もあり、実際の事件を元にしてるだけあってかなりリアルでドラマ性が強い。
間抜けな銀行強盗が上手く行かずに転落していくかと思いきや予想外の展開と1972年当時のプライバシーやLGBTQへの偏見もへったくれも無い事象がバンバン出てきて刺激的。
そういうのを偏った見せ方ではなく淡々と客観視する撮り方が巧い!
当時の警察の荒っぽい所やFBIのクールな取り引きが対象的で面白い。
人質側の銀行員の人達の時間が経つにつれて心境の変化も面白い。
ソニーの魅力が野次馬にも伝わるくだりや無口過ぎるサルの描かれ方で物語の行く末が示唆されるが、結末までの持っていき方が良かった。
エアコンが効かなくなって徐々に汗ばんでいく面々がより画面に緊張感を出す演出、更に夜には銀行内の灯も消えて陰影が強くなり、登場人物の演技に加えて更なる緊張が画面から伝わる見せ方も素晴らしい。
エンドロールで音楽が流れて無い事に気づいたが、冒頭の街の日常風景に音楽が流れた所以外にBGMってあっただろうか?
それが気にならないくらいの凄みが本作にはある。
50年前の作品だが熱量は今観ても充分伝わった。