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狼たちの午後のsnatchのレビュー・感想・評価

狼たちの午後(1975年製作の映画)
4.5
㊗️おめでとう㊗️アル・パチーノ83歳でパパに🍼デ・ニーロのトップの座は数週間で奪われた‼︎次は、ジョー・ペシか

以前観た時はかなり変わった銀行強盗映画で⁉︎😳だったのですが、今回じっくり観ると、とことん哀しい映画ですね

ちゃちゃっと強盗しなさい!と思うが、現実はこんなものかも。人質の潔い利口なおばさま行員のが成功しそう。私の好きなマヌケな「アメリカン・アニマルズ」も思い出す
でも「〜アニマルズ」と全然違うのが、アル・パチーノとジョン・カザールは、ベトナム戦争帰りで、職を失い世の中の片隅で置いてけぼりになった人。人との距離もうまくいかない。もう二歩間違えば、トラヴィス、ジョーカーかとも思うが…違う、一方通行にはならない2人ではあったから

ジョン・カザールは刑務所出で、そこには絶対に戻りたくないと。語らず笑わず、信用できるのはそのライフルだけなのか。でも、だんだんと彼の繊細で臆病な部分、思い詰めている表情心境がこぼれていく

正反対なのがアル・パチーノのくるくると廻るハートと全身。お坊ちゃん育ちで、喚き散らす妻☜この奥さんと電話し終わった後の彼の顔は笑っちゃいます😆と三人の子供がありながら、好きな男と結婚したアル・パチーノ、ややこしい♡だ。彼の望みを叶えてやりたいと闇雲の中を走り回っている
そして誰もアル・パチーノの事なんか本心では心配していないのに、人への労りで埋まったあの遺言が哀しい

冒頭のエルトン・ジョンの歌以外、音響は使わない。だから、飛行場での耳をつんざく爆音が不安を煽る煽る!照明も!
また、現場音とアドリブだらけの映画だそうで、その行き先不明さとぎこちなさが、今観ても他の映画と一線を画す
全員から噴き出していく半端ない汗も主役だと思う

最後、20年も刑期をくらい、何よりもジョン・カザールを裏切ったことが一生死ぬまで付いて回るアル・パチーノ。げっ! ゴッドファーザーと同じじゃないか‼︎😨

じゃあ、どうすればよかったんだ……
答えなんか何処を探しても何処にもない

アメリカのその時代の鬱積を見事に切り取った映画でありながら、またもう一つの主役である群がる大衆とマスコミは、他人の人生を面白がり揶揄して去っていくあの無責任な強大な力で今と変わらず…

2023年の今日観ても非常に興味深かったです!
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