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狼たちの午後のTPのレビュー・感想・評価

狼たちの午後(1975年製作の映画)
4.4
★1988年に続き、2回目の鑑賞★

 公開の3年前に実際に起こった事件を題材に、社会派の名匠シドニー・ルメットが監督、「ゴッド・ファーザーⅡ」などで当時ノリにノっていたアル・パチーノ主演、ジョン・カザール共演となれば面白くないわけはない作品。

 初っ端から仲間の一人が脱落し、銀行に金が残ってないということから如何に杜撰な計画だったのかをシリアスな舞台でコメディっぽく描いているところから映画に惹き込まれる。
 そして、銀行内の人質との会話や、警官とのやり取りを通じ主犯の二人がどのような人物なのかを徐々に詳らかにしていくという進行も見事。
 密室劇に近い地味な舞台設定でありながら、ベトナム帰還兵、ゲイ、囚人暴動といった社会的問題点も描かれ、ほとんどダレることがない。

 エルトン・ジョンの「過ぎし日のアモリーナ」から始まるなんて記憶になかった。渋い選曲。
 また、主役二人の他に、チャールズ・ダーニング、ジェームズ・ブロデリック、ランス・ヘンリクセンといったよく見かける俳優が多いのも見どころの一つ。
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