れいゆ

狼たちの午後のれいゆのレビュー・感想・評価

狼たちの午後(1975年製作の映画)
4.2
みんなで共犯者になり、少しずつ赤信号を渡っていく、気付いたら自分たちが正しいかのように錯覚してしまう
ストックホルム症候群の領域展開?アルパチーノの演技は本当に素晴らしい
ベトナム戦争後の暗い時代、人々の奥底にある昏い感情が一つの軽微な銀行強盗で肯定されていく
強盗が丸腰で銃を装備した公権力に立ち向かい市井の指示を受けるパラドックスも良かった
急に暴力を得るのって何かの作品で見た気がする、何だったろう
彼が掴もうとしたのは、もしかしたら、銀行の中に国を作る、ということなのかもしれない
全てのシークエンスに暗い時代ゆえの公権力への反抗、煽動の繊細さが描かれている、実話のくせにほんの少しコメディ
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