足摺岬を配信している動画配信サービス

『足摺岬』の
動画配信サービス情報をご紹介!視聴する方法はある?

足摺岬
動画配信は2024年5月時点の情報です。最新の配信状況は各サイトにてご確認ください。
本ページには動画配信サービスのプロモーションが含まれています。
目次

『足摺岬』に投稿された感想・評価

いつだって人の心の中の感情は時代に置いてけぼりになる。
生きるって本当に苦しいなぁ。
幸せのために生きるには、少し勇気がいる。
流されて流されて、、
一生懸命にただただ生きることしか出来ない。
岬の岩に打ち付ける激しい波のように試練は何度も何度もやってくる。
それでも生きる。
死ぬことは負けることだから。

『生きろ。』と強く訴えてくる映画。苦しく真っ暗な時代に撮られた映画。静かだけれどとても強い映画。

今観てよかった。
mh

mhの感想・評価

5.0
人気作家の代表作「足摺岬」に同作家の短編「絵本」、「菊坂」をくっつけてひとつのお話にしている。
監督は吉村公三郎、脚本は新藤兼人、撮影は宮嶋天皇と万全もバンバンゼン。
メインスタッフはもとより、北星映画と近代映画協会なのでもちろん左。それがわかっているともうちょっとだけ楽しめる。
・昭和九年頃の共産党員の日常もしくは弾圧の様子。
・無心を断ってきたプチブルがインターナショナルを口ずさんでるとこ。
・見たこと無いくらいにリアルな特高のみなさん。
このあたり、東宝争議の経験が生きているんじゃないかな。
本石区・本郷菊坂町(元 文京区本郷五丁目)の下宿界隈の様子も眼福。撮影当時の町並みなんだろうけど、坂が多いという街の特色をよく捉えていた。御茶ノ水駅や聖橋なんか、いまの面影もあるんだよなぁ。こういうのひとつとっても宮島義勇というカメラマンがどれだけすごいかがよく分かる。
外から暗い室内にカメラ向けててガラスの向こうに主人公がいる。そのガラスには走る戦車が写ってるのとか、とんでもない撮影が連続する。
傘の先がふすまを破って飛び出てくる。そのままふすまが開くと特高刑事とか、吉村公三郎がやりそうなかっこいい演出も最高だった。
中盤からの畳み掛ける不幸もすごかった。
終盤になってようやく「足摺岬」の本編。薬の行商人やお遍路さんの人間臭さが涙を誘ってくる。
これとんでもなく面白かったんだけど、VHSしか出てないというこんな世の中間違っとるね。
面白かった!
貧しさを生きるザ・社会派な前半も最高だけど、直球メロドラマになる後半が最高の最高な聞きしに勝る傑作。

思想弾圧、そして苦学の上に苦学を重ねた挙句に病いになって吐血までしてしまう木村功。とうとう死を決意して、絶望のまま何故か片想いの相手(津島恵子)が住む足摺岬に向かってしまう。

まずは死を決意したのに、生の象徴である女性に会いに行ってしまう木村功が可愛い。

片想いの相手に会えるが病いに伏せてしまう。そこでも「(足摺岬で身投げすると)遺体があがって来ないんでしょう?」と津島恵子に「オレ、自殺しちゃうよ。分かってる?」光線を浴びせる木村功がこれまた可愛い。

「自分独りだけが苦しんで絶望したかのような顔をしているけど、ホントは誰かに甘えたり、助けてもらいたいんでしょー」と言いたくなるようなキャラを演じさせたら木村功はナンバーワン。本作ではその彼の良さが120%発揮。

足摺岬の宿屋で出会う、薬行商人(殿山泰司)とお遍路爺さん(御橋公)のやりとりが、世の中悪い人ばかりじゃないと感じさせるユーモアで胸がジーンときてしまう。さすが。

宮島義勇の撮影もため息が出るほど素晴らしい。特に感心したのが、ガラス越しに木村功を写してそのガラスに水滴がついてきてゆっくり引きながら雨となっていくところ。アンデルセンの古書を買って外に出るとガラスに道を我が物顔で走る戦車が写り込むところも素晴らしい(戦車を直接撮らないところに軍国主義が迫りくる感じが伝わる)。

木村功の下宿の子供で不治の病に伏せる子役時代の河原崎健三が、可哀想な感じでもなく嫌味でもなく、大人びてるわけでも子供コドモしているわけでもなく、達観というよりただ現実を受け入れているような演技をしていて素晴らしかった。

貧しさゆえに犯罪者扱いされる津島恵子の弟のやるせなさ、木村功とザ・お母さんとの関係と父親との確執などなど、前半も見所ばかり。

通して不幸の連べ打ちだけど観終わったあとの悲壮感は不思議とあまりない。そこがまた良かった。何があっても生きるのだ!というメッセージが伝わりました。

『足摺岬』に似ている作品

キューポラのある街

製作国:

上映時間:

100分

ジャンル:

配給:

  • 日活
3.6

あらすじ

キューポラという煙突が立ち並ぶ鋳物の町として有名な埼玉県川口市。昔カタギの頑固な職人・辰五郎の一家に時代の波が押し寄せる。工場が買収され、辰五郎はクビになってしまう。娘のジュンは、パチンコ…

>>続きを読む

「粘土のお面」より かあちゃん

製作国:

上映時間:

88分

ジャンル:

3.7

あらすじ

お人好しのブリキ職人・由五郎。彼が暮らす長屋の人々は、いずれも明日の米にも困るような貧乏暮らしだった。由五郎も正月を迎える金の工面に出かけるが結局一銭も借りられず、女房が娘に書かせた嘘の手…

>>続きを読む

母べえ

上映日:

2008年01月26日

製作国:

上映時間:

132分

ジャンル:

配給:

  • 松竹
3.5

あらすじ

昭和15年の東京。野上佳代は家族と共につつましくも幸せに暮らしていた。だがドイツ文学者の夫・滋が反戦思想を持つという理由で検挙され、その暮らしは一変する。佳代は不安と悲しみを募らせていたが…

>>続きを読む

乳母車

製作国:

上映時間:

110分
3.5

あらすじ

女子大生・桑原ゆみ子(芦川いづみ)は、ある時、父に若い愛人と、その愛人との子供がいることを知る。翌日、愛人である相沢とも子(新珠三千代)の家を訪ねたゆみ子は、留守のとも子の代わりに弟の宗雄…

>>続きを読む

昭和侠客伝

製作国:

上映時間:

91分

配給:

  • 東映
3.3

あらすじ

昭和5年。関東一円に勇名を馳せるヤクザ、桜一家の三代目・千之助が暴漢に刺された。犯人は愚連隊上がりの黒帯一家の者で、親分の土井と子分たちの悪行は目に余るものになっていた。桜一家の重宗はつい…

>>続きを読む