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エクソシストのaliceのレビュー・感想・評価

エクソシスト(1973年製作の映画)
4.0
人間と霊性との、あるいは単に霊的なものとの切っても切れない絆を思い起こさせるあたり、50年前の映画なのに、というよりむしろ現代あってこそみられるべき一本と映る。
科学技術やらエビデンスやらといかにも頭の悪そうな言葉のはびこる人間味を欠いた社会を内側から突き破ってくるような悪魔の力、またそれに対処する神父の力の狭間にあって、精神科医でもある本作の「エクソシスト」がいかに振る舞うか、という構図にもみえるが、しかしそこではより端的に、霊性と結びついたひとりの人間の贖いへの通路が描かれている。
最終盤の展開は不用意なしかたで――つまり、そんなに簡単に解決へと至っていいのかという疑問を残しながら――感動物語に仕上げている感もあるものの、かなりいい映画だった。
とりわけて怖いとは思わなかった、というわたしの感想もまた、一本の映画を体験としてではなく、作品として客観視してしまう現代病ゆえなのかもしれない。
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