女優のクリスは、映画の撮影のためワシントンに滞在していたが、一人娘であるリーガンの異変に気付く。
日を追って激しくなるリーガンの異常な挙動は医者からも見放され、娘が悪霊に取り憑かれたと知ったクリスは、カラス神父に悪魔払いを依頼する。
悪魔払いの経験があるメリン神父と共にカラス神父は悪魔に対決を挑むが…。
1973年製のホラー映画の金字塔。
言わずとしれた超有名作品。
12才の少女が悪魔に取り憑かれて、二人の神父でそれを祓う話。
取り憑かれた様は強烈で、この映画最強のインパクトある場面だと思います。
70年代の映画にしては新しいというか、今でも全然観れます。
今見ると、疑問点も多々あるが、それでもまがまがしい緊迫感を持って見ることのできる傑作だと思う。
なかなか刺激が強い部分もありますが全体的に静かで、恐怖というよりは緊張感が終始画面から伝わって来るような気がします。
なんとなく憑かれてなんとなく祓うのかと思いきや、全然そんなことは無く、近代医学に則った精神分析学を教養として押さえた神父様が、母の死を契機に疲れていく様。
不信感を表していく様が細かく現れています。
エクソシストに選ばれた神父は実は精神科の医師でもあった。
そう言った側面から見ると単純なオカルト物ではなく、21世紀の現在でも充分見応えのある作品に仕上がっている所が圧巻。
悪霊が実在しない方面でも解釈可能みたいな。
とはいえ、想像していたようなドラマティックな展開はそこまでなく、淡々とした描写が積み重ねられていく。
この悪魔が一体何なのかとか、なぜこの女の子に憑いたのかとか、そういうのは全く説明されていません。
あと、クライマックス、あの音楽が流れ始め、夜霧の中をエクソシストが登場する……この有名なシーンに到達するまでが長い。
1時間以上かかる。
今のハリウッド映画では考えられない冗長さだ。
病院で検査したり、神父さんと母親のお話だったりというところに長い時間が費やされています。
でも、この映画はそれがいいのだ。
下品なオカルト映画とは一線を画す、哲学的な雰囲気を持った作品だった。
しかし、古い映画だけに特殊効果撮影の怖さはそれほど感じなかった。
実話を映像化したと言う触れ込みだが、信じるか信じないかはあなた次第。