よーだ育休中

スパイダーマン3のよーだ育休中のレビュー・感想・評価

スパイダーマン3(2007年製作の映画)
3.5
スパイダーマンの活躍によってNYの犯罪率は低下し、愛されるヒーローとして市民たちからも受け入れられていた。学業成績も優秀で、恋人との交際も順調。順風満帆の生活を送るPeter Parker(Tobey Maguire)だったが、その裏では新たなトラブルの火種がいくつも燻り始めていた。


Grim Come out to
Grinning Socialize~♩.•
Ghosts † ‎〜𐭜 ᜊ°ཫ° )ᜊ
† ┏┛R.I.P┗┓ †

(^ΦωΦ^ o[ テイタートッツを食べてみ隊 ]o

ーWith great review comes
great friends on Filmarks.🕸🕸


◆ People really like me.

Sam Raimi監督によるスパイダーマン・トリロジーの最終章。前作で伯父の死に対する罪悪感から解放され、真にスーパーヒーローとして目覚めたPeter Parker。前作で悪戦苦闘していた「学生とヒーローの二重生活」を両立させ、どちらも非常に好意的な結果を収めていました。

Peterが幼い頃から思いを寄せていたMary Jane Watson(Kirsten Dunst)との交際も順調に見えましたが、お互いに不器用な者同士である二人の恋路がそう簡単に上手くいく訳もなく。チヤホヤされる彼氏とバッシングを受ける彼女との間ですれ違いが起こります。

今作のPeterはシリーズ作品を通して初めて「冴えなくない」青年として描かれていました。しかしながら、彼の本質は「冴えない」青年であるため、どうしても肝心なところで残念な部分が顔を出してしまいます。スクールカースト最下層の青年が一転して街一番の人気者になってしまったら、天狗になってしまうのも無理なからぬこと。等身大の人物像の描写がリアルです。


◆ Together, he doesn't stand a chance.

今作でシリーズ作品として初めて複数名のヴィランがスパイダーマンの前に立ちはだかります。グリーン・ゴブリンやドクター・オクトパスといった「闇堕ちした元善良な科学者」とは異なる属性のヴィランたち。過去の二名はヴィラン側にもちょっぴり切ないエピソードがあったのですが、今作においては特にヴィランの皆様に対して同情する余地はありません。


︎︎︎︎︎︎☑︎ サンドマン
素粒子実験に巻き込まれた事で、全身の細胞が砂に置き換わってしまったヴィラン。病気の娘のために金が必要だったようですが、何度も服役を繰り返して家族に迷惑をかける体たらく。働け。「俺は悪人じゃない、運が悪かっただけだ。」などと恥ずかしげもなく口にする教育上よろしくないパパ。

︎︎︎︎︎︎☑︎ ヴェノム
カメラマンのEddie Brock(Topher Grace) が宇宙から飛来した「宿主の凶暴性を助長する」特性を持つ危険な生命体シンビオートに寄生された事で誕生したヴィラン。身勝手で軽薄なナルシストであり、登場シーンから好感度は底辺。気になるあの子がピンチの時にローアングルから写真を撮ってる変態さん。

︎︎︎︎︎︎☑︎ ニュー・ゴブリン
一作目のヴィランであるグリーン・ゴブリンの息子。優秀な父親ではなく(父親曰く)碌でもない母親に似てしまったのかと本気で心配するレベルの社会不適合なファザコン。元々エリート校を「自分には合わない」と退学し、地元のミッドタウン高校で冴えないPeterに寄り添う体で居場所を作っているような奴。身体能力増強剤を自ら投与したものの、父親のような副作用(精神錯乱)‎は出ていない様子。


今作のヴィランも種々のスーパーパワーを駆使してスパイダーマンに襲いかかって来るのですが、超人的な力を会得する前から人格破綻しているような連中ばかりなので救いようがありません。

今作から登場したキャラクターの中で、サブヒロインのGwen(Bryce Dallas Howard)だけは良かったです。(お育ちの悪い)メインヒロインよりもずっとしっかりしているお嬢さん。Peterがシンビオートの影響を受けてハイになっている時でさえ、しっかり元カレ元カノに配慮することが出来る女性。Gwen一択じゃね?


◆ You start by doing the hardest thing.
ーYou forgive yourself.

冴えない青年が突如与えられた力と向き合った一作目。心の重荷を降ろして自らの意思で立ち上がった二作目。一作目と二作目は作品の方向性というか、描きたいテーマがハッキリしていたにもかかわらず、今作は其処が曖昧でした。曖昧というか、熟慮に欠けていた感が否めませんでした。

調子に乗ったPeter × シンビオートのシナジーが心優しい青年のダークサイドを浮き彫りにした黒歴史シーンの数々は中々見物ではありました。ですが全体を通したメッセージ性は弱いです。慢心を諌めることを主張しているのだとすれば、それは既に一作目で描かれています。

であるならば、最愛の伯父の命を奪った真犯人を赦すことを描きたかったのでしょうか。罪を憎んで人を憎まず的な。ですが犯人のFlint Marko(Thomas Haden Church)は前述した様に元々善人であるとは言えません。伯父の殺害を赦したとしても、彼はまた金のために同様の犯罪を繰り返すのでしょう。病魔に侵された子供がいる事は残念ながら免罪符にはなりません。

では、二作目から決別が決定的となっていた学生時代からの親友Harry(James Franco)との和解(赦し合うこと)を描きたかったのでしょうか。それも弱い。一方的に突っかかり続けて来たのは相手の方。ゴブリンの爆弾で顔面の右半分をキズモノにしたことは確かに過剰防衛であった感は否めませんが、殺す気で何度も突っかかって来たのはHarry。敵の戦意を削ぐためと考えたら(シンビオートの影響を抜きにしても)Peterを強く責められません。


タイプの異なるヴィランズを相手に三次元的な動きで戦うアクションシーンのクオリティはとても良かったですが、Sam Raimi版スパイダーマンの良いところ(重厚な人間ドラマ)がどうにも薄味に感じてしまったのが少しばかり残念です。


𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄𓐄 𓈄
Dear.クラリスちゃん

ひとまずサム・ライミ版スパイダーマラソンが終わったね!お疲れ様〜!
最後、戦闘シーンは見応えがあったけど、肝心の人間ドラマが希薄に感じてしまったよ。
次回のアメスパもよろしくね(⌯'ᵕ'⌯)´-