あでゆ

スパイダーマン3のあでゆのレビュー・感想・評価

スパイダーマン3(2007年製作の映画)
2.9
かつて暴漢に襲われて亡くなったベンおじさん殺害の真犯人、フリント・マルコが刑務所から脱獄。その情報を知らされ激しい怒りに燃えるピーターは、メイおばさんの制止の言葉も聞かず犯人の行方を追う。

『スパイダーマン2』をクリアしたことによって、大いなる責任を理解したパーカーが、MJへの責任を果たせなくなってしまうとても小さな色恋沙汰と復讐劇。だからこそ、彼はなるべきではなかった大人、ヴェノムとして覚醒してしまう。
まあパーカーが前二作を通して置き去りにしてきた罪と向き合うというストーリーは理解できるが、ヒーロー物 という面ではかなりスケールの小さな話になっている。
とはいえ、話しょうもないのはともかく、よく自身のヴェノム含めたヴィラン4人も出してよく話まとめてあげている。

前作のホラーテイストに対して、今作はセルフコメディのようなテイストが多め。パーカーがヴェノムに侵されているくだりも恥ずかしい映像をこれでもかというくらいやたら長々と見せられるし、童貞による勘違いはギャグとしては面白いものの、なかなか恥ずかしいところがある。
ラストでサンドマンがスパイダーマン殴ってるところなどは、映像だけ観ると滑稽で仕方ない。今作のアクションははっきり行ってかなりナンセンスで、前二作に比べるとほとんど進化もみられない。

キャラクターに関しては誰ひとりとして共感することができなかった。本作でのパーカーやMJの意味不明さはかなり目に余るし、ヴェノムとなるエディも完全に自己責任だ。
ゴブリンJrだって、そもそも息子ならともかく、父親殺されて人生が狂うほど復讐に燃えるっていうことが僕には考えられないところではある。
それにパーカーは
「お父さんを殺してはいない! 彼は自分で死んだんだ!」って言うけど、いやまあ確かにそうかも知れないけど...ってっ感じはあるよなあ。MGSで間接キルしたらキルカウントにならないみたいな。

あとサンドマンの出自も、実験中に「多分鳥さ」ってそんなアホな...。
それにベンをどっちの悪党が殺したかでパーカーの原罪がOKになったりNGになったりするの、かなりヒーローとして最悪だ。復讐OKならゴブリンも許されるということになるよね? まあ、彼も最後に死ぬから許されるんだろうな...。
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