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ハロー・ドーリー!のodyssのレビュー・感想・評価

ハロー・ドーリー!(1969年製作の映画)
4.0
【主役の名が結論に】

有名なミュージカル映画。バーブラ・ストライザンドって好きじゃないので、今まで避けていたのですが、事情があってDVDを借りて鑑賞してみました。

歌と踊りは言うことなし。ダンス・コンテストが開かれるレストラン内部でのものは言うまでもありませんが、街頭行進なんかもゴージャスで、こういうところはカネをかけているハリウッドならでは。それから19世紀のニューヨークの街路なんかも興味深い。小さい型の市電がトコトコ走っていて、それ以外は馬車がメインだった時代。

ミュージカルは筋書き面では大ざっぱ・いい加減と決まっていますから文句を言うのは野暮かも知れませんが、ホーレスの性格設定が終盤近くまでああであるとすると、最後でハッピーエンドというのがいささか強引と思えてきます。もう少し途中で伏線を張っておくほうがいいのでは、と。

そしてホーレスの姓がヴァンダーゲルダーVandergelderってのが、ちょっと笑える。ドイツ語Wandergelderを思わせるからで、これは「さまよえるお金」という意味。実際、この映画の最初のあたりで「お金は回すもの」というセリフが出てきますし、最後は「お金は肥やしのようなもの、若い芽を育てるのに使わなくては」と主役二人の意見が一致してしまうのですから、結論を先取りした名前なのだと言えるでしょう。
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