てっちゃん

スカーフェイスのてっちゃんのレビュー・感想・評価

スカーフェイス(1983年製作の映画)
4.3
有名ですよね、アル・パチーノさん主演ですよね、デ・パルマ監督さんですよね!
気にはなっていたけど、観るリストに入れてからじっくりと熟成させていた本作をようやく鑑賞しました。

うん、デ・パルマさんですね!って感じの、きめきめショットが炸裂されております。
デ・パルマさんの作品は数作しか観ていないけども、それでも感じる「あれ?これって?デ・パルマさんじゃねえの?」感。

でっかくデ・パルマさん印が、ばちん!と押されているんですよね。

圧倒的な画面の濃さ。
この濃さはデ・パルマさんにしか出せないんですよね。
汗臭さ、息遣い、ぎらぎらした欲望、虚しさ、、そんなものが溢れ出しているんです。

圧倒的なドラマ性。
これも言うまでもないですよね。
山あり谷ありのドラマがあって、人物たちが生きているんですよね。

冒頭でも書いたきめきめショット。
はっ!とさせられるショットの数々。
これ?どう?すごいやろ?と問いかけるデ・パルマさんのにやけ顔が想像できますよね。

あとデ・パルマさん印って、女性を一際立たせて撮ることができることだと思うんです。
本作でもそれはしっかりと確認できて、内なるものを撮るところ、演出って面が素晴らしいんですよね。

アル・パチーノさんもいいですね、ぎらぎらしていますね。
ゴッドファーザー(通して観たけど面白すぎたのでまた後日観てからレビューしますとここに誓います)的というか、這い上がりから栄華を極め転落していく、、それらが一本の映画で見事に描かれている(ゴッドファーザーはシリーズでですが)のが素晴らしいし、それを演じるアル・パチーノさん、お見事としか言いようがないですね。
どんどんと表情だったり、振る舞い、雰囲気が変わっていくんです。

その相棒を演じたスティーブン・バウアーさんも説得力抜群で良かったですね。
とんでもないイケメンで爽やかって感じの見た目に騙されないように見ようとしてましたが、途中でどうでもよくなりうっとりと見惚れてました。

物語の方も破綻がない重厚でしっかりとしている脚本が基にあるもんだから、その土台の上でいろいろやってもびくともしないんです。
安心するけども、嫌悪感を抱きつつも、最後は天晴れ!という感じ。
すごい仕上がりを見せてくれています。

なんといっても、ラストがすごいんですね、、
これまでもさすが名作でございますと平伏していたのですが、ラストでこれは!と震え上がりました。
狂気、狂気、狂気!!!

いやあデ・パルマさん恐れ入りました。
てっちゃん

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