あおみどろ

スカーフェイスのあおみどろのレビュー・感想・評価

スカーフェイス(1983年製作の映画)
4.5
同情の余地が1ミリも無いどうしようもない男だが、一瞬ではあるものの確実に「世界」を手に入れた、だがその「世界」において誰よりも孤独だった、そんな男を見事に演じ切ったアル・パチーノに賞賛を送ると共に、ブライアン・デ・パルマの演出に舌鼓を打たざるを得ない作品。
序盤は常に誰かとヤマに挑んでいたトニーが、成り上がっていくにつれて段々と周りの人が減っていく様、その因果応報は実に滑稽であり、それでいてとても寂しい。ボスを殺し、親友を殺し、妹を殺し………唯一愛する妻を殺さなかったのは唯一の救いだろうか。だがどれだけ地位を上げようとも、自分以外の人間を全て「ゴキブリ」と罵るスタイルは変わらないのもまたトニーの魅力。本当にどうしようもない野郎だが、その魅力に取り憑かれあっという間の2時間半を過ごしたのもまた事実。
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