特濃ミルク

スカーフェイスの特濃ミルクのネタバレレビュー・内容・結末

スカーフェイス(1983年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

 ギャング映画の筆頭を今更見た。題材こそ違うが、「レイジングブル」を見た時と同じような感想を持った。
 どちらの主人公も確かな実力で順調に成り上がっていくんだけど、肝心な人間性の根っこの部分が腐り切っているから、それで一時は成功してもみるみる没落していくんだな。平家物語みたいでもある。
 …やはり人間が長久的な幸福を求めるなら、七つの大罪(傲慢、嫉妬、憤怒、色欲、強欲、怠惰、暴食)ってやつは絶対に犯しちゃいけんのだと改めて感じる。特に傲慢ね。
 …そういえば「レイジングブル」は完全にキリスト映画だったのでそこは勿論意識されていたと思うが、本作はどうか…。まあ主人公の失敗の本質なんかは同じかもしれんが…こっちの方は特に救いも悟りも無く突っ走る感じだったかな。気づいた時には蜂の巣だもんな。しかも最後はシュワちゃん(つかターミネーター)の偽物みたいな奴に後ろからとどめ刺されて…。
 個人的にはそのシーンのあとで、殺されちゃったマフィアのボスの台詞が響いてきた。
 (意訳)「お前はこのマフィアの世界に輝かしいものを求めてるんだろう。女、金、シャンパン、豪遊パーティー…もちろん派手に好き放題やるのはお前の勝手だが、この世界で生き残りたきゃ決して目立つな、という事だけ言っておく。」
 このボスが決して自分では手を汚さず、あまり表には出てこないのも、この掟を理解していたからだろうな。まあ結局は長続きしないけど。
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