犬のロボット

アンドレイ・ルブリョフ 動乱そして沈黙(第一部) 試練そして復活(第二部)の犬のロボットのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

タタール人襲来の凄まじい迫力と、序盤のフェイフォンとルブリョフの問答、無知が故に過ちを繰り返し続ける人間の愚かさを責めるフェイフォンと、利用されてしまうだけで無知であることは罪ではなく、日々の苦難を信仰と共に耐えて生きている大衆の罪を誰も咎めることはできないというルブリョフの問答が印象的だった。そしてタタール人に拷問され「なぜ私が」と叫ぶ男。そもそも「罪」とはなんなのか、苦難の全てが罪深い私たちに神が与えられた試練だとしたら贖罪は何によって果たされるのか。贖罪のために筆を折ったルブリョフと、与えられた才能を無駄にするのは冒涜だと責めるキリール。 少年が鐘を鳴らす奇跡を目撃して再起を決意したのは、神が報いてくれることに希望を持ったのか、それすらも神の意志であり、キリールの言うように、神に与えられた才能のために自分は描き続けなければならないと悟ったのか、自分の姿を重ねた少年、嘘をついて生き延びた少年の罪に対する贖罪は鐘を作ることだと考えたから、自分もそのようにあろうとしたのか。テーマはベルイマンの作品に通ずるものを感じた。
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