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砂の惑星のsithmaroのレビュー・感想・評価

砂の惑星(1984年製作の映画)
3.0
初めて観たのは地上波初放送時。

どう考えても原作のボリュームが収まりきっていない。
そして全体的に画面が地味。
まぁ、舞台が文字通り「砂漠の惑星」アラキスなので、とにかくひたすら砂漠、砂漠、砂漠。
往年のSF映画のような華やかさは一切無し。
もちろんそれがダメとは言わないが、あまり一般人受けはしないだろうなという印象は受ける。

あと世界観はわりと独特なのだが、とりあえずナレーションで全部説明してくれるので、振り落とされる心配が少ないのは親切と言うべきなのか。
いやナレーションと言うよりも、もはや解説動画みたいにかなり詳しく解説した上で、尺が足りないからすっ飛ばしますネ゙っていうスタイルはかなりエクストリーム(笑)
なんならこのナレーションのお陰で、ヴィルヌーブ版より世界観は理解しやすい。

しかし結果として、ただのダイジェストみたいになってしまっており、1本の映画を観ているという感覚は乏しい。
そうなると断片的に印象に残るシーンはあっても、全体が印象に残らない。
冴えてると思える演出などもあるのだが、色々と勿体ない。

ただ、そんなお世辞にも面白いとは言い難い今作品ではえるが、スティング演じるフェイド・ラウサがとにかく格好いい。
あらゆるキャストの中でも、とりわけ印象に残っているのがスティングというのも面白い。

駄作と言われても仕方がない作品ではあるが、ヴィルヌーブ版を補足してくれる作品というのが今となっては適切な見方かもしれない。
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