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七つの顔のワンのレビュー・感想・評価

七つの顔(1946年製作の映画)
4.0
レヴューの踊り子 清川みどり(轟夕起子)に贈られた花束から出火し、ダイヤの首飾りが盗まれた。やがて、都知事選挙に出馬しようとしていた野々宮信吾(月形龍之介)の邸宅から証拠品が見つかり、逮捕された。しかし、探偵の多羅尾伴内(片岡知恵蔵)は疑問を抱き、野々宮夫人(喜多川千鶴)を連れ出して独自の捜査を始める。


「あるときは多羅尾伴内、あるときは奇術師、又あるときは片目の運転手、しかして実体は…藤村大造だ」

戦後から一年あまり、戦後初のヒーローともいうべき名探偵 多羅尾伴内が活躍するシリーズ1作目。

アルセーヌ・ルパンみたいな変装の名人で多羅尾伴内というのも藤村大造の変装のひとつ。ラストで悪人たちがアジトに集まってあると、隠れていた藤村が「ハハハハハ」と高笑いしながら現れ、悪党が「何者だ?」と問うと「あるときは…」と名乗り出し、変装を解いていくのがお約束。

探偵物なのでトリックはちゃんとしている。当時としては迫力のあるカーチェイスだった。冴えない風貌の男が実はヒーローだったというのがカッコ良かった。
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