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フォクシー・レディのくりふのレビュー・感想・評価

フォクシー・レディ(1980年製作の映画)
1.5
【チェリーボム不発】

『ランナウェイズ』の後、生シェリーを見たくなって、DVD借りました。シェリー・カーリーが、女優転職を狙って出演した青春お悩み物語。主役少女四人組のなかで、飛び道具キャラを地で? 演じてます。

主演というか親分格はジョディ・フォスター。齢十八で贅肉含め姉御の貫録。でこれ、エイドリアン・ライン監督のデビュー作でもあるんですね。いやー見事にグダグダグダグダ演出で生きる気力もランナウェイでした。

少女たちの、それなりに複雑な家庭事情は哀しく描かれもするし、青春の暴走先で死人も出ますが泣けやしねえ。醸される他人ごと感が物凄い。ほんっとーにどーでもよくなって来るんです。恐るべしラインの無力化演出。

だから、延々続くほんっとーにどーでもよいガールズトーク場面がむしろ、本作の核なのかと思えて来ます。1980年の怠惰な感覚は厚塗りされてるから、当時を思い出しグダグダしたいなら、ちっと効能ある作品かもしれませんが。

ジョディは始終くっきり存在感があり、この頃既にベテランだった! と感心。彼女の周りがグダグダばかりなので、かえって浮いてましたけれど。

お目当ての生シェリーはう~ん…でした。まったく生のまんまですからね。

『ランナウェイズ』にて、「ザ・ランナウェイズのシェリー・カーリー」は、歌う場で炸裂するよう仕向け、作り上げられたことが描かれていましたが、映画への出演にも、その課程が必要だったんだろうな、と思いました。

たまにジョディより、自然なイイ顔しますけどね、それだけなんです。その辺の道端に転がってそうなねーちゃんで終わってしまいました。本作の後、B級ホラーなどにも幾つか出たようですが、結局、映画界からはランナウェイしちゃったようですね。わかる気、します。

一番の収穫は、ローティーンのローラ・ダーンが出ていることでした。牛乳瓶底めがねっ娘。のびた君みたいな顔して、トボけてました。でもかわいらしいから、彼女だけにはちょっと、頬ゆるみました。

で、本作を一言でいえば、ジョルジオ・モロダーってことに尽きますね。ジョルジオ・モロダーとしか言いようのない作品ではありました。

<2011.11.24記>
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