このレビューはネタバレを含みます
ニューヨークの日常風景をロケ撮影し、貴重なアメリカ映画として登録を受けているキング・ヴィダー監督のミニマル風の先進的なサイレント映画。製作がMGM。
夢をもって都会に都会に出た少々世間知らずの若者が、サラリーマンの同僚に紹介された女性と結婚、子供ができる。しかし出世に縁遠く、妻とも仲違いガチになり、勢いで会社辞めてしまう。詰まらない仕事をしたくないという夫に、子供を2人抱える妻は内職をはじめるしかない。妻の家族からの仕事も断りると、遂に妻は家を出る決意をするが…
ヘンリー・シャープの撮影が印象的で、主人公の会社、室内、大通り、高層ビルから主人公のクローズアップへ続く撮影は『アパートの鍵貸します』で引用されており、群衆の中の孤独というテーマを先駆け的に描いています。
更に、隠し撮りされたコニーアイランドの場面など、ニューヨークの外観が高く評価されています。
同年ユニバーサルが製作した『都会の哀愁』とよく似ています。