1928年公開のサイレント映画です。もう100年近く前の映画ですが、よくできた作品です。もっと高く評価されてもいい映画ではと感じました。
簡単にあらすじを紹介します。前半、大志をいただいたプライドの高い若者が、NYにやってきて大手企業に就職し、結婚と順調に人生の駒を進めます。
しかし後半、ある不幸を機に、仕事を辞め、転職を繰り返すようになります。しまいには妻に愛想をつかされ、自殺を試みます。寸前のところで留まり、かつて自分が見下していた道化師になって、再起を図ろうとするところで終わります。
『群衆』というタイトルの皮肉が効いており、主人公がなんだか痛々しかったです。ある種のホラーともいえるんじゃないでしょうか。
なんだか国語の教科書で読んだ、『山月記』を思い出しました。現代にもありそうな話ですし、人間の本質は変わらないですね。
高校・大学生~社会人3年目くらいの、実力もないのに何者かになれると信じて疑わなかった頃の自分に見せたいです。