Ryan

レジェンド/光と闇の伝説のRyanのレビュー・感想・評価

レジェンド/光と闇の伝説(1985年製作の映画)
1.7
リドリースコットをトラウマにさせた作品



ストーリー
世界を暗黒で埋め尽くす野望を抱く魔王は、野望を妨げる存在である森に棲むユニコーンの抹殺を小鬼に命じる。その頃、森では清純なリリー王女と若き青年ジャックが動物と触れ合っていた。ジャックはユニコーンを見せるため、リリーを秘密の場所に案内する。しかし、森には小鬼が迫っていた。


主演 トム・クルーズ
監督 リドリー・スコット



ロードオブザリング×スターウォーズ×美女と野獣
あまりに壮大な世界観と作り込まれた圧倒的制作費によって実現された今後作られる事のないであろう駄作。

マジで世界観とセットは一級品。
ここまで作り込まれたセットは珍しく、幻想的でありながら妥協しない数々の演出に恐れ入る。「これ全部作ったの!?」と衝撃が大きい。マジで夢の世界を行き来しているようで素晴らしい!

しかし、脚本は最悪。
まず、ヒロインのリリーが最低すぎて全く感情移入出来ない。ここまで傲慢なヒロインもなかなかいない。無知の定義が曖昧でありながら圧倒的な不平等悪な無知。こういう性格が1番ムカつく。
話を飛ばしがちなシーン転換や意味のないセリフがブラブラブラ。
急にピーターパンが現れたりなぞなぞが始まったと思ったら平気で嘘をつくキャラクターたちに一体何を見せられているんだ?と中盤から気持ち悪くてなる。

トムクルーズももはや人間版ゴラムにしか見えない。眉毛が繋がり歯並びの悪いレアトムを拝めたのはありがたい。

本当にあのリドリースコットが作ったのか疑問になるほど酷い内容だが、作り込まれた世界観は本当に素晴らしく惜しいどころではない。
作品自体は大コケし、ショックを受けたリドリーは今作以降、視覚効果ジャンルから離れ実に27年後「プロメテウス」で復帰する。

トム・クルーズは本作の撮影中、スコット監督から「弟に会ってやって欲しい。いま戦闘機の映画を準備している」と進言し、彼はその言葉にしたがい、リドリーの実弟である監督のトニー・スコットに会い、戦闘機パイロットを主人公とする青春映画への出演を快諾した。その作品が「トップガン」

この作品があったからこそ今のリドリースコットやトムクルーズがいるのかもしれない。
そう考えると低評価でもいつかこの壮大な世界(今作)を観て欲しい。
Ryan

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