アイディアありきのSFかな?と思って観てみたらビックリ!
子供が生まれないということは、つまり労働力が足りなくなるということ、エネルギーや食糧問題が加速していき、真綿で首を絞めるように人類の未来が徐々に終焉に向かっている事実が世界中を退廃的で陰鬱な空気にしてしまう。
いまや少子化の問題は日本だけではないですから、荒唐無稽とは言えない設定です。
ドキュメンタリー風なカメラワークや1カット撮影に拘っているのも、この映画が荒唐無稽なSF
ではなく、現実の我々の生活に根ざした哲学的な問題提起が根底にあるからだと感じます。
エンタメ成分はかなり低めなので楽しい映画ではないですが、大人が観る映画としては優秀だと思います。