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トゥモロー・ワールドのkaz666のレビュー・感想・評価

トゥモロー・ワールド(2006年製作の映画)
2.5
トータル的に見れば非常につまらなかったが、とても惜しい作品だと。
子供が生まれなくなった世界で、とある少女が奇跡的に子供を懐妊する。
その子供を守りながら逃走する的な内容ではあるのだが
なぜ子供が生まれなくなったのか特に具体的な説明はなかったが、背景的に食糧飢餓や、荒廃した世界の描写が見えるのでそれが起因しているのは容易にわかるし、それに伴った紛争がそこら中で起きている演出も良かった。
ただ、子供ができない、理由つけの描写は良かったにせよ、少女に子供が懐妊した際の、その崇高性に関しての作り込みが非常に甘く、下手したらそのうちぽんぽん子供ができるんじゃないかと思ってしまう。
相対的に見たテーマと世界背景の対比はかなりグッときたが単純に脚本の才能がなかったような気がする。
脚本を粗雑に扱う作品は嫌いではないが、脚本の粗雑さはそれと比例した色彩や映像美が必要になると思っているので、そこまでの美しさは見えなかった。カメラの長回しなど独特で前衛的であるし、音楽面に関しても、クリムゾンフロイドなどセンスのあるミュージシャンに傾倒している面があるため、非常に惜しく感じてしまった。
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