NANCY

トゥモロー・ワールドのNANCYのレビュー・感想・評価

トゥモロー・ワールド(2006年製作の映画)
2.0
何か起こりそうで何も起こらない何とも言い難い映画でした。
テーマはやはり生まれてくる命の大切さ、でしょうか。
2027年子供が生まれなくなった世界でひとりの妊婦がひとりの子供を生む…。
予備知識無しで観賞しましたが、どうやらこの作品はシーンの長回しが特徴的な映画のようです。
確かに、主にラストシーンは長回しで、実際にそこにいるかのような感覚になる、緊張感溢れる映像になっています。
設定ではイギリス以外の国は滅びて、他の国の人間は不法侵入として殺される、という作りになっているのですが、他の国が全然映らないのでイマイチしっくりこなかったのが本音です。
あと2027年という設定にしては近未来感が全くない。
むしろ過去の世界と言われた方が説得力がある。
全体的に灰色の映画で色彩もない。
近未来という舞台にする必要はあったのか…。
圧倒的なのは戦闘シーンのリアルさですが、それも2027年にしては普通の戦闘。
特に特殊兵器が出現する訳でもない。
イギリス以外の国を映さなかったのはあえてなのかわからないですが、世界が崩壊しているというより、イギリスが崩壊している感じがして、世界が狭く観えてしまいました。
出産シーンに力を入れるのかと思いきや、案外あっさりとした出産。
この作品で唯一感動したのは、激しい戦闘の中で泣きじゃくる赤ちゃんを見て、敵味方関係なく、戦闘が一時的にですが、止まるところ。
命を奪い合う戦闘の中で、生まれてきた子供に対する反応が、敵味方であっても変わらない、というところに感動を憶えました。
ただ、ジャケ写に写る主人公とジュリアン・ムーアに全く魅力が無いところはさすがにツッコミを抑えられませんでした。
主人公はともかく、ジュリアン・ムーアは何故この映画に出演したのか…。
ジュリアンの無駄遣いです、完全に。
主人公も主人公で特に際立った能力も無いしかっこよくも無い。
この映画の主人公はいったい誰…。
この設定をこの尺で収めたのは素晴らしいですが、短尺にしてしまったせいで、世界が本当に小さく感じてしまい、主人公に魅力が無い為、感情移入もできず…残念…。
だったらあと30分増やしてもっと2027年の世界を写すべきだと思いました。
評価は平均より高めですが、これを傑作だと言うレビューに納得はできません。
今一歩。
そして何より、邦題が何故トゥモローワールドなのか…。
原題のままにすればいいのに、邦題のせいで第一印象がB級映画どころかC級映画くらいにまで落ちています。
馬鹿め!!!
トータルでまぁまぁの映画。
面白くなくはないですが、オススメする程でもない映画でした。
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