海猫

少林寺三十六房の海猫のレビュー・感想・評価

少林寺三十六房(1977年製作の映画)
3.7
かなり昔にテレビ放映を観て以来、DVDで観た。家族を殺され瀕死の傷を負った主人公が少林寺に逃げ込み、厳しい修行に耐えて武術を体得、下山し宿敵を倒す。といった感じで、あらすじだけ見ると凡庸。しかし通して鑑賞すると、すこぶる面白い。中盤から始まる一連の修行シーンが、秀逸。あれやこれやとアイデアや趣向を盛り込み、少年漫画みたいな楽しさ。ここは時間的にも長く、ディテール細かに見せるので圧倒的な説得力がある。下山してからは修行で体得したことが、ことごとく生きてくる流れは腑に落ちるし痛快。やさぐれ者が弟子になりたいと集まってくる展開は、水滸伝を連想。画面は作られた年代相応に古さもあるがストーリー性とテーマ性が共に高く、アクションシーンは現在でも十分に迫力あるものに思う。
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