天真爛漫なお転婆ぶり、佐野周二にひとめ惚れしてグイグイの田中絹代。次の日にはもう佐野周二誘って水辺でべったり。煙草プカプカで物怖じしない絹代は戦前のお嬢さん。「わたし年寄りの扱いは上手いのよ」と…
田中絹代がくるくると身を翻して大広間を走り廻る、それだけで画面がぱあと明るくなる。脇を固める俳優陣もみなうら若く輝いていてすばらしい。高峰秀子、川崎弘子、そして松竹三羽烏のそろい踏み。そしてわれらが…
>>続きを読む野田高梧がこのような通俗的な話を、それぞれの人物の個性、善意、悪意を見事に描き分け、川崎、田中、高峰、佐野、上原の魅力を引き出している(岡村文子までも)が、佐分利信は少し損をしている。小津的な匂いは…
>>続きを読む田中絹代、川崎弘子、高峰秀子、松竹三羽烏の豪華出演。みんなが若くてキラキラしてる時代の作品なので、一見の価値はあると思う。
この監督にしては、映像は比較的普通。いつもほどカットは割らず、長回しやカ…
没後40年 映画監督 五所平之助
64分・35mmプリント
前篇上映後、休憩あり
■ABOUT
五所は本作で初めて長篇小説の映画化に挑んだ。一平(佐野)の子どもを身ごもった朱実(田中)だが、彼…
【詳述は、『五重塔』欄で】天晴れ⋅田中絹代、彼女が若くして、大衆人気+実力大スターに何故なれたか、よくわかる、そのキャラの進歩性⋅アグレッシブを無理なく受け入れざるを得ない、振る舞い⋅広言の威容+親…
>>続きを読む避暑地である霧ヶ峰(兼母のサナトリウム)のきらめきが月の光となって襖の間から漏れ出す。煙草を燻らせ横たわる絹代が愛しい人を潤んだ目で想う視線に貫かれる。冒頭10分ながら寝室での姉弘子との戯れ合いだけ…
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