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新道 前篇朱実の巻のseapony3000のレビュー・感想・評価

新道 前篇朱実の巻(1936年製作の映画)
5.0


天真爛漫なお転婆ぶり、佐野周二にひとめ惚れしてグイグイの田中絹代。次の日にはもう佐野周二誘って水辺でべったり。煙草プカプカで物怖じしない絹代は戦前のお嬢さん。「わたし年寄りの扱いは上手いのよ」とか小生意気なこと言っといて岡村文子ママを前にグゥの音も出なかった絹代。さすが子爵の令嬢って感じのド派手な私服で動き駆け回る絹代の人生が一転し、号外の新聞屋のけたたましい走りに急き立てられるように走る絹代に(ここのシーンも素晴らしい)。人の話より犬の話、テニスの腕前で人間性を見極める子爵・斎藤達雄…余計なお世話だけど、戦後没落する予感しかない…。四十九日の墓参りで初対面の弟・上原謙が、末っ子のデコちゃんに「15歳?じゃあ学校ではエスとかなんとか流行ってるのかな?」「やだー」ってやり取りだけなんか見たことあった気がするけど、ほかの作品でもこんなセリフ言ってそう。はやく後篇。
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