しゅん

愛の誕生のしゅんのレビュー・感想・評価

愛の誕生(1993年製作の映画)
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ハゲちらかったロン毛という最悪の髪型にも関わらず男性的魅力を放つルー・カステル。髪フサフサのイケメンなのに情けなさが全開のジャン=ピエール・レオ。二人の中年の彷徨いが苦々しくも優しい。
画的に美しいとはとても思えない冴えないおっさんおばさんばかりを映す静的で捉えどころのない映画、オマケに個人的に体調が最悪だったこともあって途中かなりツラかったんだけど、最後までいくとスゴいものを観た…って感覚が残る。しかし、何がスゴいのかは全く説明がつかない。こういう不可解な体験をすると映画ってまだまだ得体がしれないものだし、もっとたくさんの映画観たいって気持ちになります。

ルー・カステルの顔を左斜め横から撮るカットの多さとか、カメラを傾けて車が進む路上を映すショットとか、「斜め」の感じが本作のキモな気がする。ジョン・ケイルによる美しい音楽が後半に少しだけしか使われないところもこの斜め感に通じているような。
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