Melko

ウォリアーズのMelkoのレビュー・感想・評価

ウォリアーズ(1979年製作の映画)
4.0
「無理!もう走れない!」
「全然か?!……よし、逃げるのに嫌気がさしてたところだ」

「これが、必死に帰って来た場所なのか」

”You Warriors are good, real good.”
“…..Best.”

チーマーギャング、ヘトヘトな一晩のお話

ずーーっと📎したままだった作品
賛否あるらしいギャングの抗争映画、どんなもんかと。44年前の作品なので、さすがに展開がモタモタしてたり、あまりスタイリッシュとはいえない泥臭い展開だし、ウォリアーズ全員絶妙なイモっぽさがあって、誰か1人輝くスーパースターがいる訳ではないのだが、カメラワークと音楽、不良な男の描き方がうまくて引き込まれた!

物語のキーとなる電車が駅に入ってくるカットから始まり、タイトルロール
ギャングの会合が開かれるらしい。ウォリアーズのリーダーが説明し、音楽が始まる
Music by…の文字 
このBGMがとにかくかっこいいし、走る電車目線のカメラワーク、線路にスタッフロール
なんかすごい会合らしい 挟まるウォリアーズメンバーの会話
そして、各地からニューヨーク目指して電車移動する個性豊かなギャンググループたち
この6分余りの流れが非常にテンポが良いので好感持った!ここの映像だけで何回転もできる
このシーンと、次の会合に集まる大勢のギャング達のシーンがあることで、その後に展開される、大玉グループのリーダー殺しの嫌疑をかけられ逃げ回るウォリアーズ達がどれだけの規模のギャングたちに狙われているのかが見て取れる

お前ら追いかけてやるぜ〜逃げられないぜ〜♪的な曲がウソみたいに明るい曲調。笑

追手をかわしながら、電車を乗り継ぎニューヨークからアジトであるコニーアイランドへ急ぐウォリアーズの面々
走って走って走りまくるウォリアーズ
なぁんだ、ギャングなのに戦わず逃げ帰るだけの、しょぼいマッドマックスみたいなものか……と思いきや。
ちゃんと途中でケンカシーンがあってホッとした笑

第一戦は、カラーペイント顔の野球ユニフォームのフューリーズ
しかしビジュアルが不気味なだけで、足は遅いし喧嘩は弱いし、拍子抜け笑
いや、ウォリアーズが俊足でケンカに強いのか?笑

第二戦はまさかの女ギャング団リジーズ
しかしこちらはほぼリジーズのお色気&奇襲で、ギリギリちょっと応戦した程度
最年少レンブラント、よく耐えた!エライ!

そして、ここまでの歯切れ悪いファイトを晴らすかの様に暴れる第三戦、青いツナギのパンクス
ホントに怪我したんじゃないか?!のファイト、この時代なので正直キャットファイトレベルではあるけど、とにかく後ろの音楽が戦闘意欲を掻き立てる感じで良いのでアガる

惜しむらくは、ウォリアーズでケンカが強く冷静なスワン、反抗的で腕っぷしの強いエイジャックス、最年少で勘の働くレンブラント以外が割と没個性的だったことと、紅一点のマーシーがあまり可愛げなくて好きになれなかったこと

それでも、富裕層のカップル2組とスワン&マーシーが地下鉄内で対面で座る終盤のシーンは印象に残ったし、良かった。
このシーンはSNSにおいて、ミームで人を対比する時によく使われる。
何があったのか分からないけどとりあえず平和で楽しそうな富裕層カップル
走って逃げ回り疲れ果てたスワンとマーシー
2人は泥だらけだしケガもしてる。ボサボサの髪の毛を直そうとするマーシーの手を、気にするなと下げるスワン
それでも恥ずかしくて目を閉じるマーシー
無意識に自分と人を比べて自分を蔑む姿が切ない
このワンシーンだけ、他のシーンとちょっと雰囲気が違ってた

夜が明けて、爽やかなラスト
エンドロールの曲がジョー・ウォルシュの♪In the cityじゃないか!大好きこの曲!いやぁ爽やか

サイラスはニューヨークごと乗っ取るとか物騒なこと言ってたけど、ウォリアーズだけで言うと、基本的に気は良いし無闇に人に暴力は振るわないんだよな
警察は毛嫌いしてるし落書きマーキングはするんだけど。無害っちゃ無害?
今の闇バイトなんかに比べたら可愛いもんです

これは今リメイクしたらダサくなっちゃうかなぁ
あと今こんなギャングいないよね…笑

またひとつ、大事にしたい作品が増えた
ひっっさびさの4.0!!
Melko

Melko