ブタブタ

エレメント・オブ・クライムのブタブタのレビュー・感想・評価

3.8
トリアー監督初期三部作。
「捜査官よ、犯罪者たれ」と言うコピーが全てを表してる。
宝くじ売り少女(つまり売春婦)連続殺人の犯人ハリー・グレイは追い詰められて車ごと焼死するが数年後ふたたび連続殺人が始まる。
主人公はこの事件の捜査で酷い精神疾患と記憶障害を負ってしまって治療の為に催眠療法で過去に遡っていく。
ゴールデンのモノクロの映像、絶えず雨や霧で湿った世界、迷宮の中をさまよってるだけの主人公。
タイトルの『犯罪の原理』とは主人公の捜査の師である教授の著書で殺人犯と精神を同化させる事で真相に近づく危険な方法でラストで真相が明かされた時にああやっぱりと思ったのですが、はっきりと描かれた訳ではないので自分は色々な結末を想像しました。
ハリー・グレイは死んだのか生きてるのか?犯人は本当は誰なのか?
日本の探偵小説で三大アンチミステリーと言う物があってそれは犯人無き殺人、探偵小説であって探偵小説でない、犯人は誰なのか?と言う事に重きを置いてないのですがこの作品も連続殺人の真相やストーリーよりもこの世界を楽しむ、浸る事の方が重要かなと思いました。
ブタブタ

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