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クレージーの怪盗ジバコのumihayatoのレビュー・感想・評価

クレージーの怪盗ジバコ(1967年製作の映画)
5.0
一見コントのようだけどなかなかに社会派な一面も。

「日本のホコリを盗みます!」という怪盗の予告に対して
「日本の誇りとは?」との冒頭からしてかなり社会派匂わせてくる。
左卜全演じる右翼は天皇だと言い。
事業家は経済だと言う。
そのどちらでも無く誇れるものなんて何も無いよと庶民は言う。
子供達は工場のスモッグ問題でマスクを外せない。
これだけでも現社会と通じるものが垣間見える。

「日本の誇りったらそりゃ重要文化財だろう!」との答えが出るも、それらが海外の観光事業者達に偽物にすげ替えられている事が判明。
なぁんかIOCの事とか思い出したなぁ。

ラストは、怪盗ジバコが本物の文化財を奪い返し、全てを元通りにするかわりに実業家に「工場を1日だけでも停止し、スモッグを減らしてくれ」と交換条件を出す。
晴れて子供達のマスクは取れる。

高度経済成長の中で、人間の生活を蔑ろに増やせ増やせの金策に走った人達を痛烈に皮肉る側面もある作品でした。
もたろん、コメディはクドいが面白いし、植木等演じるジバコが色んな人に変装する設定なので、いろんな役者の植木等モノマネも楽しめる。
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